2018.06.18

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命と向き合う

2018年 6月
園庭のプランターで色々な野菜を育てています。
その生長を見ている子どもから「大変じゃーー!!」という声。

見ると大きな蜂がやって来ていました。

そして、蜂の足にはガシッと掴まれた青虫。

子どもたちの「大変じゃ!!」は、このことだったようです。

蜂の一挙手一投足に子どもたちはくぎ付けです。

言葉もなくただ茫然と見つめる子どもたち。

子どもにとって、かわいらしい青虫を
無残に連れ去ろうとする蜂にハッとしながらも、
相手は蜂。

どうにかしたくても
怖くて近づけない子もいます。


すると、子どもの中から
「蜂にも赤ちゃんがおるんじゃない?!
育てんといけんけー、
しょうがないんじゃない?!」

という声が…

(青虫を助けてやりたい…)
(しかし、蜂は危険で近づけない…)

ちょっと深読みですが、
子どもは
青虫を救出してあげられなかった
理由を
どうにか見つけたくて、
発された言葉かもしれません。

しかし、いろいろなことを感じながら考えながら、
子どもたちは、その発された言葉を聞き入れ
青虫が犠牲になってしまうことの現実を
自分なりに納得させているように見えました。



『食べられてしまう立場』だけではなく、
生きていくために必要な手段を講じる
『食べる立場』の方にも思いを
寄せていこうとする考えにも感心しました。

確かに実際、蜂にも蜂の家族があり、生活があり…
その通りです。

しかし、
蜂がきゅうりの支柱に身を隠したその隙を狙って

残っていた青虫たちを大慌てで
救出に取り掛かった子どもたち。


「まだ、残っとるで」「〇〇、よー見つけたね!!」

「(蜂に)食べられずに済んだね ?」と
虫カゴに捕獲してやっていました。

蜂が青虫の身をかみ砕き、肉団子のようにして丸めながら
運んでいこうとするその姿は、
とても衝撃的で
怖さで身を震わせ、
一匹の蜂を巡り、子どもの心は…どよめきました。


                          (青虫に寄生した蜂の卵)

虫の『命』=人間の『命』と重ねあわせるには、
まだまだ難しいかもしれませんが、
『命』と向き合う大事な時間になったのではないでしょうか。