2021.09.27

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年長

2021 ビオトープ観察会(二回目)2時間目

2021年 9月

さぁ、ビオトープ観察会。
ここからは、年長児と講師の先生方だけの時間となりました。

何か、質問のある子はいますか???

…ということで、子どもたちから、
6個の質問が出ました。

少し長いですが、とても子どもらしく、
また、感心させられる先生とのやりとりでしたので、
ご紹介いたします。


質問 1. 
 キリギリスはなぜ、脚が6本なんですか?

講師の先生からのお話
 人間も動物も手足は4本、昆虫は6本。後ろ足2本はとても太いだろ。その丈夫な足で、大きくジャンプし、前の4本では、物にしがみついたり、しっかり着地したりするためなんだよ。

担任の心の声
 この質問。子どもは、「昆虫は…」と聞かずに、敢えて「キリギリスは…」と聞いていました。本来どれも、昆虫は足が6本ですが、「キリギリスは…」と聞いた質問。とても子どもらしくていいな…と感じました。もちろん講師の先生も、「脚が6本なのは、キリギリスだけじゃないんだよ」と言われるようなこともなく、子どもの質問を上手に、広げてくださいました。

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質問2.
 ピンクバッタは、なぜピンクなんですか

講師の先生からのお話
 たいていは、緑色だよね。だけど、緑の色が一部抜けてピンク色になるんだ。中には、全部ピンクになることだってあるんだよ。

担任の心の声
 え??そもそも、ピンクバッタっているの? わたしそんなの知らなかった…そして、「なぜ…?」「どうして…?」と不思議に感じることのできる姿にも感心…


質問3.
 カマキリは、バッタの仲間なのに、なぜ、バッタを食べるんですか?

講師の先生からのお話
 カマキリは動いているものを何でも食べるんだよ。人間のことだってね、噛もうとしているんではなくて、食べようとしているんだよ!(笑)

担任の心の声
 この子どもの質問は、きっと、自分と友だちとを、バッタとカマキリに、重ねあわせた上での質問だったのでは、と思います。自分と友だちは仲良しで、クラスの友だちも、共存していて仲間である。なのに、なぜ、草に共存しているバッタとカマキリも、仲間(友だち)なのに、その仲間を食べてしまうんだろうか?という素朴な疑問だったんだと思います。現実世界と、絵本のような空想の世界の入り混じった時期を、大切にしたいです。


質問4.
 シロテンハナムグリの寿命が長いのは、なぜですか?

講師の先生からお話 
 体を覆う殻が硬い昆虫には、長生きなものが多いんだ。季節を通して、花の蜜や、樹液を飲んだり、花粉や果実を食べたり、エサをよ~く食べて、体にエネルギーがたまっているから長生きなんだよ。

担任の心の声
 シロテンハナムグリ…またもや、わたしが実物を思い描けない虫の名前を出してきたわね…「おぬし、やるのう」、って感じです(笑) わたし、講師の先生の話をしっかり聞き取れていなくて、放課後、思わずグーグルでもう一度、調べました。すると、農林水産研究に関する国内の論文・情報が探せるデータベースにヒットし、シロテンハナムグリの生活史ということで、寿命の長い理由もちゃんと出てきました。清田先生…子どもの質問に一発回答…すごいです…



質問5.
 カタツムリには殻があるのに、どうして人間には、殻がないんですか?

講師の先生からのお話
 人間は体の中に、体を支える骨があるだろ。骨の外側には、柔らかい皮膚や筋肉があって、それを守るために洋服を着る。雨や台風の時には、守ってくれるお家や、幼稚園があるだろ。甲虫も硬い体で体を守っているけど、カタツムリも、殻に入って身を守るためなんだよ。

担任の心の声
 こういう質問、わたし、大大大好き!でも…講師の先生は、空想のような、絵本の世界のようなこの質問に、閉口されるかもしれない…と、一瞬ドキドキしてつい、「え?難しい質問ですが、分かりますか?」と口を挟んでしまいました。だって、皆さんなら、どのように答えますか??しかし、清田先生にかかっては、「その理由は、知っています…」と、何とも頼もしい返事!そして、ニンマリ笑顔も見逃しませんでしたよ! 清田先生も、こういった質問は大好きだったようです。さすが!!



質問6.
ミズカマキリは、なぜ、水の中にいるんですか?

講師の先生からのお話
 カマキリっていう名前がついているけど、カメムシの仲間で、マツモムシに近いんだ。カマキリは、大好物が陸地にあって、バッタなどを捕食する。ミズカマキリの大好物は、オタマジャクシ…水の中にいるんだ。水の中にいて、エサを狙っているんだよ。

担任の心の声
「陸にいるものがカマキリでしょ、それが水の中にいるからミズカマキリって言うんじゃないの?」わたしなら、こんな言葉しか、かけてあげられなかったと思います。教師としては、子どもの問いにすべてこたえてしまうのではなくて、一緒に考えたり調べたりしながら、子どもの知的好奇心をさらに引き出してあげる…ということが、大きな役目だとは思います。しかし心の中には、ちゃんとした考えを持った上で、子どもに接していけるよう…まだまだ見聞を広めなくては…と、内心、背筋の伸びる思いがしました。

子どもの質問を、講師の先生はとても、
尊いものとして、受けてくださいました。

このやりとりからは、講師の先生が、
子ども一人ひとりを、

とても大切に接してくださっていることが伝わり、
胸が、じ~んと熱くなる思いでした。

今回の『知る喜び』が、また戸外での、
虫探しや、観察、飼育に大いに役立つことでしょうね…

さぁ、年長児、最後は3時間目!
戸外で、虫の放虫です!(次回につづく)