2022.06.02

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年少

自然

人間が自然の中にあるということ

2022年 6月

雨上がりの朝のこと…

登園してきた年少児が一番に目にしたのは…
桑の葉にとまるてんとう虫の幼虫、でした。

桑の実、熟したかなあ?? 見上げてみると…

あ、おいしそう…

たくさんの、水玉を乗せている葉も見つけました。

きれいだねぇ…と うっとり。

水玉のことなのか?熟れた木の実のことなのか?
それとも差し込む陽の光のことなのか?

ふと目を横にやると…
蜘蛛の巣に、たくさんの水滴。

「どこ? どこ?」 「ほら、ここ」
「きれい~~」

宝石みたい………」
思わず呟いてしまうほどの美しさでした。

すると、「たからものだ~~~」と、子ども…
 

手のひらをパチパチと合わせ、
小刻みに足を飛び上がらせて、
その感動を全身で表現していました。

 
登園時の、幻想的な一コマでした。

こんなやりとりをしていて…
ある本の一節が思い起こされました。
少々長いですが、抜粋して引用します。

『大雨や暴風が森や家をなぎ倒し、
人々から住む家と土地を奪うたびに、

私たちは自然の力をまざまざと思い知らされます。

自然は偉大で激しく、時に破壊的です。
しかし同時に、優しく、美しく、実り豊かで、
私たちになくてはならない存在なのです。

~中略~
自然の営みは、人間が作り出すものとは全く違います。
人間は自然を支配できませんし、
自然から離れて生きることもできません。

自然の中で、私たちは、
大きな全体の一部分にすぎないことを知り、
その謙虚な意識が、
私たちの人生を豊かなものにするのです。

自然は時を越えてうねる、大きな波です。
自然と深く結びつき、
そのうねりを経験した子どもたちは、

一生の間、良いときも苦しい時も、
その波のリズムを恵みとして受け取り、
自らの人生を構築することができるようになるのです。』

リッケ・ローセングレン 著
『北欧の森のようちえん』より  イザラ書房