2025.09.13

全体

未就園児

9月 すくすくだより

2025年 9月

二学期が始まりました。
なお、厳しい残暑で、涼しくなるのは
いつのことやら…、と思いながら過ごす毎日です。

しかし、さくらの森で大合唱していた
アブラゼミやクマゼミの声が、
気付けばツクツクボウシやヒグラシのコーラスに
変わってきました。
季節が移ろっていることを、自然が教えてくれます。

セミと言えば、夏季休業中の預かり保育。
年長児が、羽化直前と思われるセミの幼虫を
見つけてきました。


しかし、羽化に至らず、
一晩のうちに息絶えてしまいました。

次の日、羽化を楽しみに登園してきた年長児。
担任が動かなくなった幼虫を見せると、
絶命していると思わないどころか、
いつ羽化するのかを楽しみにするばかり。


どうして羽化できなかったのかを考え、
羽化に必要な環境を整え始めました。
(詳しい様子は、Instagramに公開中)

そんな子どもを前にし、
担任の頭に浮かんできたのは、
この夏の研修会で聞いた
『大人は名前のある世界に生きているけれど、
子どもは名前のない世界に生きている。
名前のある世界と名前のない世界の間に立って、
子どもを支えられるのが専門職だよ』という話。


どんな言葉を添えてよいものやら悩み、
「幼虫は死んでしまった」という現実を
伝えられなかったそうです。


語いの獲得が始まる
すくすく世代の子どもたちには、
子どもの見えているものや気持ちに、
名前をつけてあげることで、
言葉とものや、言葉と気持ちがつながり、
言葉がどんどん豊かになっていきます。

そうすることで、考えることやイメージの世界が、
こんなにも成長していくのだなと実感しました。

とともに、成長していく子どものそばで、
かける言葉一つに頭を悩ませ、
心揺さぶられながら寄り添う、
担任の深い心根に胸が熱くなりました。

二学期、私も子ども一人ひとりに添える一つ一つの言葉、
大切に使っていきたいと思います。

今学期もよろしくお願いいたします。

(すくすく広場スタッフ 副園長 うどのかずこ)