2026.05.25

全体

甘酸っぱくておいしかったから     

2026年 5月

年長さんが「どうぞ」と
職員室に持ってきてくれたのは、なんと小さなまな板。
見るとその上には、
5ミリ四方ほどに細かく刻まれたイチゴが3切れ。
その熟れ具合から、
園のイチゴだとすぐにわかりました。

子どもたちが毎日、収穫のタイミングを狙って観察していたイチゴ。
まだまだ完熟には程遠い色をしていました。
完熟まで待ちきれなかったのでしょうか。
そのイチゴを収穫し、どうやら年長クラスのみんなで
分け合って食べたんだそうです。
そして、職員室にいる園長や事務職員、
私にも分けてくれようとしたのです。

「食べて!食べて!」と押し付けるわけでもなく、
どこか気恥ずかしそうな表情で
イチゴを差し出す姿が印象的でした。

その気持ちがとてもうれしくて、
「ありがとう。先生たちにまで分けてくれるのね」
と声をかけると、
「甘酸っぱくておいしかったから」とポツリ。

――甘酸っぱくて、おいしい――

なんて素敵な響きでしょう。
ただ単に「甘い」でも「酸っぱい」でもなく、
「甘酸っぱくて」おいしい。

その後、口に運んだイチゴは、
本当に甘酸っぱくておいしいものでした。
まるで胸がときめくような・・・。

自分だけが全部食べてしまうのではなく、
友だちと分け合ったイチゴ。
職員室の私たちにまで気持ちを寄せてくれた
子どもの優しさ。
どんなイチゴより、おいしく感じたのは、
私だけではなかったのではないでしょうか。