2025.06.30
全体
未就園児
7月 すくすくだより
2025年 7月
園庭には、大きなプラタナスの木があり、
その幹の皮が、今、ベリベリに剥がれています。
その剥がれかけの皮を、
年長さんが剥がしていました。
皮は、かさぶたを剥がすように、
大きな塊でベリッと剥がれるので、
それが面白いようです。
その様子を年少さんがじっと見ていました。
「どうして皮が剥がれちゃうんだろうね…?」
一緒に見ていた私はつい、
素朴な疑問が口に出ました。
すると、そこにいた年少A君が、
「昔の古い皮やから剥けたんだ」と
自信にあふれた表情で教えてくれました。
年少B君は、仮説を立てたかのように
「雨が降って剥がれたんじゃない?」とポツリ。
それを聞いたA君は
「そっか、雨が降って(雨が)攻撃してとれたんか…」
私が「そうかぁ……
それで皮が剥がれちゃったのかぁ…」と言うと、
年少のC君が木を見上げ、
「木さんが痛くなっちゃうね」と呟き、
剥がれ落ちた皮を拾い、大事そうに握り締めました。
何気なく呟いた私の独り言にもかかわらず、
それぞれが考えや感じたことを言葉にしたこと、
加えて、友だちの言葉を聞いて、
その発想に共感し、思いを巡らせた姿は、
とても印象的でした。
また、C君の「木さん…」
という呼び方も耳に残りました。
ダンゴムシやカエルなど、
生き物に「くん」「さん」をつけて呼ぶことは
よくありますが、
木を「さん」付けで呼ぶことは
あまりなかったように思います。
私も、木に「さん」をつけて呼びかけ、
皮が剥げた木を見上げてみました。
それまでは全く感じていなかったのですが、
木がとても痛々しそうに感じました。
いずれ、生き物にも、
「さん」付けしなくなる時がくるでしょう。
生き物や植物と対等の関係でいられるこの時期。
人間でないものに対しても、
命あるものとして接することが、ゆくゆくは、
人と人とのあたたかい関係性に
つながっていくのだろうと感じたひとコマでした。
すくすく広場でも、積み木さん、イスさん、おやつさん。
【モノ】ともあたたかいやりとりをしていこうと思います。
(すくすく広場スタッフ 副園長 うどの かずこ)