2025.10.11

全体

未就園児

10月 すくすくだより

2025年 10月

預かり保育のお迎えの時間。

教室の前を、ちょうど通りかかったところ、
お母さんに抱かれているA君のうしろ姿が見えました。

「何かあったのかしら?」気にかかったので、
私は教室に入り、まわりこんでA君の顔を覗きました。
すると、A君の顔は私の想像に反し、満面の笑み。
本当に嬉しそうな表情でした。

迎えに来られたお母さんめがけて
飛びついていったのでしょうね。

A君の満足そうな顔を見て、心底、
いいなぁ~とうらやましくなりました。

その後、飛び跳ねるように帰っていくA君を
追いかけるように、お母さんは
小走りについて行かれていました(笑)。

保育終了後の預かり保育。まだまだ暑く、
日中は水遊びをしたり、運動遊びをしたり、
帰る頃には、疲れが出たり眠たくなったりする時間です。

A君が、お母さんに抱っこされていたのは、
1分にも満たなかったかもしれません。
そうだとすると、なんという急速充電(笑)。

子どもにとって、大好きな人に包み込まれる時間が、
こんなにも大きな力があるものなのだと、
身にしみて感じました。

すくすく世代の保護者の方は、
我が子を抱っこすることが当たり前の生活を
されておられるでしょう。
当たり前と思ってしている行為。

それが実は、子どもにこんなにも
大きな安心感と喜びをもたらしているのですね。

そのことを思い出しながら、
帰宅の途についている時、ふと、
私があの時感じたうらやましさは、
何に対してだったのだろうと、頭をかすめました。

もちろん、抱っこされてうれしいA君へのうらやましさ。
でもそれだけでなく、
子どもをあそこまで満足させてあげられる
お母さんに対しても、
うらやましさがあったように思います。

大人にもそんな思いを抱かせる無償の愛。絶大です。

幼稚園の子どもたちに、
挨拶代わりに「抱っこしましょうか?」と
声をかけることがあります。

すると、たいてい、どの子も一瞬、
面食らった表情になり
「え⁈  いや、大丈夫です…」
そういう返事が返ってきます。

「大丈夫です」って…丁寧語……(笑)
それを面白がるのは失礼と思いながらも、
子どもがどのような言葉や態度を返してくれるのか…、
ついつい。

すると最後には、
「先生は赤ちゃん組の先生でしょ!」
抱っこするのはすくすくの子どもでしょと言わんばかりに、
注意されてしまいます。トホホ。

(すくすく広場スタッフ 副園長 うどのかずこ)