2026.06.09

全体

見とってあげてくれない?

2026年 6月

戸外遊びをしていた年中さんの様子を遠くから見ていると、
Aちゃんが駆けてきて、
「Bちゃん、見とってあげてくれない?」と言いました。
「危ないから見ておいてあげて」という意味合いかな?と、
園庭を見渡すと、Bちゃんは雲梯(うんてい)に
ぶら下がっているところでした。

ここのところ毎日のように雲梯を練習しているBちゃん。
昨日はとうとう、3つ進むことができ、
嬉しそうに報告してくれたばかりでした。
私に声をかけてくれたAちゃんは、
年中に進級してすぐ
雲梯を渡りきれるようになっています。

二人は普段から大の仲良し。
Aちゃんがスタスタと雲梯を渡っていく姿を、
Bちゃんはいつもよく見ていました。
Bちゃんがまだ上手く渡れないことを
知っていたAちゃんは、3つも進めるようになったことが
自分のことのように嬉しかったのでしょう。

友だちの「できなかったこと」が
「できるようになったこと」を、
こんなにも喜べるなんて……。
Bちゃんの頑張りや成長を我がことのように喜び、
私にまで報告してくれた
Aちゃんにとても感心しました。

Bちゃんもまた、Aちゃんの姿に憧れ、
励ましてくれる存在があったからこそ、
自分の目標に向かって
一生懸命取り組めるのかもしれません。

遊びとは、ただ単に
自分だけの目標を持って取り組む力だけでなく、
人と人との関係を深め、
心を通わせる経験でもあるのだと改めて実感させられます。

遠くから見ているだけでは、それぞれがバラバラに
頑張っている光景に見えるかもしれません。
しかし、一歩踏み込んで
子どもたちの世界に身を置いてみると、
そこには見えないドラマがあり、
深く胸を打たれます。

表立って気持ちを言葉にするわけではないけれど、
心に秘めたそれぞれの思い。
友だちを励ますAちゃん。
友だちに憧れの気持ちを抱くBちゃん。

二人の手のひらには、
それぞれのがんばりの勲章である
「まめ」が、しっかりとできていました。