2026.08.31
全体
長谷川義史さんの原画展を訪れて
長谷川義史さんの原画展を訪れて
~胸に響いた平和へのまなざし~
これまで当園に3度お越しいただき、
素敵な講演や絵本ライブを届けてくださった
絵本作家の長谷川義史さん。
この夏、広島市西区にある泉美術館にて
長谷川さんの絵本原画展が開催され、
足を運んできました。

原画展のテーマは「見つめるまなざし」。
事前情報をあえて入れずに訪れた会場には、
おなじみの『8月6日のこと』
『ぼくがラーメンたべてるとき』
そして『朗読詩 ひろしまの子』の
原画が並んでいました。




それだけではありません。会場で目を引いたのは、
スケッチに描かれたたくさんの少年少女。

その一人ひとりが、こちらを見つめているのです。

スケッチに添えられた温かくも力強い文字。
筆致からは、子どもたちが確かに生きた証と、
長谷川さんの平和への強い思いが溢れており、
涙なくして観ることはできませんでした。

鑑賞後、さらに深く知りたいという思いから、
SNSなどで調べたり、講演を聴いたりもしました。
そこで知ったのは、絵本誕生までの、
長谷川さんの心の振幅と、そこに至る道のりです。

長谷川さんは、反戦平和の詩画人・四國五郎さんの
『朗読詩 ひろしまの子』に出会い、
深く心を動かされたそうです。
「子どもたちにこのメッセージを届けたい」と、
被爆80年となる2025年に絵本を制作されました。
この制作にあたり、
長谷川さんは国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を訪れ、原爆で命を落とした子どもたちの遺影を、
一枚一枚熱心にスケッチされたといいます。
その数は何十枚、何百枚にも及びます。

講演会の中で、長谷川さんはこう語られていました。
「亡くなった子どもたちの一人でも多くの無念を、
一人でも多くのその笑顔を、できるだけたくさん
描いてあげないと……」と。
そして、「手を抜かずにスケッチすることは、
大切なことなんだなと実感した」とも。

長年、絵本作家としてご活躍の長谷川さんの心に、
これほど熱い想いが湧き上がったのは、
遺影の中の子どもたちのまなざしが真っ直ぐで、
強く心に届いたからでは…と胸が熱くなりました。

語られた言葉を胸に改めて
あのスケッチを見返すと、
絵の向こう側にある一人ひとりの命の重みが、
さらに深く胸にずんと響いてきます。

広島に生まれ、広島に育ち、今、広島で
子どもたちとかかわわる仕事をしている私たち。
この夏も、幼稚園の職員みんなで
折り鶴を折りながら、
「平和」について語り合い、考える時間を持ちました。
四國五郎さんのご長男である四國光さんの言葉
「種はいつか発芽する、その種まきを」
という言葉が心に残っています。

「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」
という強い決意を胸に、
戦争をしないための努力を重ねていくこと。
それこそが、今、
私たちにできることなのだと感じています。
これからも日々の保育の中で、子どもたちと一緒に、
たくさんの「平和の種」を大切に
まいていきたいと思います。




(絵本ライブで描かれた即興画)
※今回の原画展の原画、スケッチ、講演会の内容に
つきまして、長谷川義史さんより、
SNSや幼稚園ホームページで紹介してもよいと
ご了承をいただいております。